株式会社における機関(役員)について
取締役
会社の取締役には誰がなれるのか?
人でなくては取締役になれません。
法人は取締役にはなれません。
人であっても成年後見人や被保佐人(準禁治産者)、また一定の罪を犯し刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者や、上記の規定以外の法令の規定に違反し、禁固以上の刑に処せられその執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)も取締役にはなれません。
破産者や未成年者については?
今回の会社法で破産者で復権を得ない者も取締役になれることになりました。
ただし法律では大丈夫というだけです。
実際には会社の信用や社会倫理の問題には触れます。
未成年者に関しても 取締役になれますが、親権者の同意が必要となります。
取締役の人数については今回の会社法の施行で閉鎖会社においては取締役が1名の株式会社も設立可能となりました。
株式の譲渡制限の規定のない株式会社(公開会社)では取締役会(委員会設置会社を除く)が必要ですので、原則取締役が最低3人以上必要となります。
一方、株式の譲渡制限の規定のある会社(閉鎖会社)では取締役は1名以上で構いません。
なお任意に取締役会の設置は可能です。
取締役の任期については?
今回の会社法で 閉鎖会社(株式の譲渡制限を置いている会社)においては10年を限度として任期を伸長することが可能になりました。
公開会社(株式の譲渡自由の会社)においては 原則どおり伸長は不可能です。
(原則就任後2年内の決算期に関する定時総会まで)
つまり会社に株式の譲渡制限の規定が あるかないかで任期にも大きな違いが出てきます。
現在設立させる会社では取締役の任期を10年とする会社がほとんどです。
ただし任期が10年のままでは途中、辞任等ができないことに注意が必要です。
株主しか取締役になれないと規定できるのか?
株主を取締役に限定することは公開会社においてはできません。
これに対し閉鎖会社においては株主と経営(取締役が)がほぼ一体化している中小企業がほとんどです。
したがって閉鎖会社では定款で 取締役を株主のみに限定することも可能となります。
代表取締役
代表取締役とは会社を代表する機関です。
代表取締役については以前の商法では、取締役会の決議で選任されていましたが会社法では様々な形態が考えられるようになりました。
代表取締役は公開会社(株式の譲渡が自由の会社)においては原則として取締役会の決議で選任されます。
一方、閉鎖会社(株式の譲渡制限の規定のある会社)においては、取締役会を設置した場合には取締役会の決議で選任されます。
後は定款の規定による取締役の互選で決議したり、株主総会で決議したりします。
決議の方法は事前に定めておくことが必要です。
なお代表取締役を定めない場合には取締役が代表取締役を兼ねることになります。
複数選任された場合でも各自代表が原則です。
会社法施行前からあった共同代表の規定は登記事項ではなくなり、単に内部規定にすぎなくなりました。