株式会社設立、合同会社設立のメリット
対外的信用力
「個人事業主」では、株式会社設立の場合や合同会社設立の場合のように登記がありませんので、外部からは事業の実体や経営状況が把握しにくく、相手方の会社からの信用が得られにく、売上の低迷につながることも予想されます。
それに対し「株式会社、合同会社、一般社団法人等」であれば、商業登記簿謄本の裏付けによって、組織の内容が明確にされ、株式会社等の存在が外部からわかるため、取引先も会社の財政状況や経営状況を信用して取引することができます。
また、金融機関からの融資においても商業登記簿謄本で株式会社や合同会社の存在が確認できると、登記がなく外部から営業の実態や資金の存在を把握しにくい個人商人よりも借入れがしやすくなります。
事務所や店舗の賃貸契約を結ぶ時も、個人商人よりも賃貸がしやすくなります。
なお、一般社団法人においては資本金は登記事項ではありませんので登記簿謄本には資本金は記載されません。
税金
個人事業と会社を比較して、株式会社設立、合同会社設立のメリットは主に次の点があげられます。
家族を役員などにして報酬を支払うことによって、所得を分散させることが可能になります。
個人事業主でも、税務申告の際に一定の控除が認められますが、会社の役員・従業員として所得控除を利用すればさらに納付する税金は安くなります。
個人の資産を会社に出資し会社の財産とすることで、将来の相続税を低くおさえることができます。
ただし、平成18年度の税制改正により、一人会社でのこの節税メリットはなくなりました。
節税メリットを受けるためには、6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族以外に、株式の11%以上を保有してもらったり、オーナー一族以外の常勤取締役の人数を50%以上にする、などの対策が必要となります。
また、信用面においては個人事業と会社では格段の差が生じます。
取引の相手方が大企業などである場合には会社でないと取引してもらえない場合があったり、一定の契約をしたり、出店するには会社組織にしていないと相手にしてもらえないといった場合もあります。
新規でベンチャー事業を始める方や定年退職をむかえられた団塊の世代の方々が自分の知識と経験を生かして起業・独立をお考えの場合には、小規模な会社設立(小規模な株式会社設立・合同会社設立)をおすすめいたします。